所属
神戸大学大学院人間発達環境学研究科
専門
音楽学・音楽文化史
音楽と音楽活動に刻まれている社会的テクストに関心があり、舞台の現場でどのような歴史との対話があるのか、という点に関心をもって研究しています。研究の端緒は、亡命作曲家として稀有な成功をおさめたクルト・ヴァイル(1900-1950)の創作と受容を中心に、オペラからブロードウェイ・ミュージカルまで、音楽劇と社会の相互関係、その文化的記憶としての意味などについて研究してきました。近年はヴァイル研究での「亡命・越境」的観点からの発展として、「越境的・対話的音楽文化史」の視点から、異なる文化や社会的背景を共有しながら、共同で占領期の音楽文化史などの調査・研究をしています。
調査地
ヨーロッパ(ドイツ語圏、英語圏)、北アメリカ、日本
ひとこと
作品や音楽が立ち上がる現場に、社会がどう関わってきたのか、その過去・現在・未来に関心があるのですが、コロナ状況下での変化と持続を観察し、思考したいと考えてきました。音楽文化史は、文化人類学や教育とも接続する分野だと考えてきたので、今回、この研究会で文化人類学、民族音楽学の分野の方々とご一緒でき、刺激をたくさん頂いております。みなさんと対話させて頂くのがとても楽しみです。
おもな業績
- Carol Ojaとの共著. US Concert Music and Cultural Reorientation during the Occupation of Japan, in “Sounding Together” (edit. by Charles Hiroshi Garrett and Carol J. Oja), University of Michigan Press, p.51-81.
- 肥山紗智子との共著「日本の《三文オペラ》試論 (1) – 黎明期における三文熱をめぐって」神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要 14巻1号、p.37-53.
- Katie Callam, Makiko Kimoto, Carol J, Ojaとの共著, Marian Anderson’s 1953 Concert Tour of Japan: A Transnational History, American Music vol, 37, No,3, p. 266-329.
- コロナ禍の試み – 師走に考えるヴァイル生誕120年、没後70年 メルキュール・デザール 63号
- 2020年5月5日 コロナ禍に考えたこと